

本学は「歴史と文化の町」と称される鎌倉の地で開学されましたが、本学の歴史と文化は、これから学生と教職員とで、縦糸と横糸でタペストリーのように織り上げていくのです。学生の皆さんは、その自覚をもって、ひとりひとり、歴史と文化を創る過程に参加してください。そして、4年後には、鎌倉の名に恥じない教養と品格を身につけ、受けた教育、自らの学習、自分が修学した大学を誇りに思う看護職となっていただきたいと思います。
自分を大切にして看護すること看護って何でしょうか。看護系大学と言われる大学を目指した皆さんであれば、少なくとも一度以上は自分で考えたことのある問いだと思います。それが正しい考えだったのか、間違っている考えだったのか、ずっと問い続けてほしいと思います。そして、自分だけの、もちろん自分だけにしか通用しないような独善的なものであってはなりませんが、あなたなりの看護観、看護論を持ち、センスの光る看護職になってください。自分を大切にできない人は他人のことも大切にしたり世話したりすることはできません。また、自分が困ったり悩んだりしたときに、人に助けを求められる人が、人を助ける力を持てるのです。
何事もバランスは重要です。人生も臨床場面も白黒はっきりしない、明確な回答のない出来事が多くあります。どのように決めてどんな答えを出したか、それが重要なのではありません。重要なのは、その人自身が決めて、出した答えに納得しているということなのです。わからないことは、わからないこととして受け止めること、リスクは怖がりすぎず、怖がらなさすぎず、そのバランスが重要なのです。今、正しいとされていることが明日は否定されることもある、それが科学です。
看護を目指す皆さんの成長、発展を心から願い、伸び伸びと学べるよう、尽力いたします。